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院長ブログ・聴心記

過食症と気分変調症のセルフモニタリング(2020.03.16更新)

plant-3369983_1920こころの健康クリニックでは、「摂食障害(過食や過食嘔吐)」や「気分変調症(慢性うつ病)」の対人関係療法の最初のステップとして、セルフ・モニタリングを勧めています。

また職場復帰支援プログラム(リワーク)でも、セルフ・モニタリングとメンタライゼーションを、共通プログラムとして指導していますよね。

 

あれこれと思い悩んだり反すうすることや、思考や感情にとらわれたり回避することは、「私はこんなふうには感じたくない」という体験についてのネガティブな評価を含んでいます。

そのため、最初の思考にネガティブな思考が加わって増殖し、ますます苦しい感情が強くなってしまうのです。

 

セルフ・モニタリングでは行って行くことは、自分の頭の中で繰り広げられる独り言(内語・自己内対話)が、べき思考、推測、自己否定、反すうなどで、批判的になっていないか?、あるいは、判断的(良い/悪いのジャッジメント)になっていないかどうか?、などに気づくことを目的としています。

 

セルフ・モニタリングでは、まず、「思考は心の中の出来事でしかない」「思考は現実ではない」、そして「私たちは思考ではない」、ということを実感として体験してもらいます。

その方法の1つとして、「他の人が同じように考えていたら、あるいは同じような気持ちになっていたら、その人の心の中では何が起きているだろうか?」と、日頃から、自分を外側から客観的に見る視点を獲得する練習をしますよね。

 

この取り組みは、のちにセルフ・コンパッション(自分への優しさ)として「自分自身との関係を改善する」プロセスと、「自己・他者の行動の背景にある心理(考え・感情・欲求・願望・信念)を理解しようとすること」であるメンタライジングを促進して、「関係性を改善する」アプローチにつながっていくのです。

  

摂食障害に私のすべてを操作されていた頃は、痩せているかどうかだけが私にとっての気がかりでした。そんな私の心の状態が、実際のオーラとして私から発散されていたのでしょう。だからみんな、ジェニーと言えば痩せている、と思い浮かべたのだと思います。

今は、私を見てほかの言葉を思い浮かべてほしいと思っています。

そう、「エネルギーあふれる」とか、「生き生きした」とか、「思いやりのある」などを思い浮かべてもらえると嬉しいですね。

シェーファー、ルートレッジ『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店

 

「摂食障害(過食や過食嘔吐)」や「気分変調症(慢性うつ病)」の人は、「他の人にどう思われているだろうか?」という問いを、頭の中で何度も繰り返したり、口にしたりしますよね。

 

しかし、自分を客観視することができていないだけでなく、このような状況で他者はこのように考えたり感じたりするというメンタライゼーションが成長していないので、「どう思われているだろうか?」「何と思われているだろうか?」の問いを何度発しても答は出ないのです。

ですから、このようなときには、ジェニーさんがやっているように「他者にどう思われたいのだろうか?」という問いに変える必要があります。

 

似たような問いに「○○だったらどうしよう?」がありますよね。

この問いも答がでないのです。

こころの健康クリニックでは、「どう(How?)」ではなく「何を(What?)」を使うように勧めていますよね。

 

ジェニーさんも「「さっきエドに与えてしまった力を取り戻すために、今、この瞬間に私ができる正しい行動とは何だろう」と私は考え続けています」と、「何を(What?)」を使って「行動の仕方を変えていく」ことに取り組まれていますよね。

 

そして、自分を批判したり評価したりせず、そのときどきの自分を認めてあげるために、そのような自分が世話をまかされた子どもだとしたら、どう接するだろうか?を考えてもらいますよね。

 

鏡を見ているときにエドの声が聞こえ始めると、ジェニーはかわいい赤ちゃんの写真を眺めます。これまでジェニーは、この小さな女の子に向かって、あなたは太っている、なんて残酷なことを言ったことはないのです。

むしろ、エドの言葉からその女の子をかばってあげたい、守ってあげたいと思うのです。

(中略)

赤ちゃんのかわいい写真を見るたびに、エドが批判してきても、自分自身のことを大事にしてあげよう、いたわってあげようという思いが湧いてくるようになったのです。

(中略)

あなたの中にいる純心な子どもを、エドがどのように日々いじめ、苦しめ、虐待しているのかを、しっかりと認識してみてください。

そして、そのあなたの中のかわいい純心な女の子を守れるように、さらに練習を続けていきましょう。

シェーファー、ルートレッジ『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店

 

このセルフ・コンパッションの取り組みは、摂食障害では自分の身体との関係でも指導していますよね。

インナーマザーと愛着(アタッチメント)の対人関係療法』『インナーチャイルドとインナーマザーの和解と統合』や『アタッチメント(愛着)の泉の封印を解く』なども参照してみてくださいね。

 

院長

 

※お知らせ:2020年4月14日より摂食障害治療が専門の女性心療内科医師による、摂食障害治療の一般外来を始めます。

2020年3月17日12時より申し込み受付を開始しますので、【摂食障害治療の一般外来】をご覧ください。

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