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過食や過食嘔吐の回復に必要なこと

[2019.05.27]
回復した人の体験よりも、回復途上のジェニーさんの体験がすごく役に立った」と過食症の治療を続けている患者さんがおっしゃったことがあるのです。 「あの本を読んで、食べることにとり組まないと回復できないと実感できました」と晴れ晴れとした表情で語られたことを思い出します。   ジェニーさんとは、『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』の著者であるジェニー・シェーファーさんのことです。 ジェニーさんの本は解説したことがなかったので、これから『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』を一緒に読んでいくことで、一人でも多くの人が過食や過食嘔吐から回復されるきっかけを掴まれることを願っています。   では、『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』の序文から読んでみましょう。  
治療を受けようと思うときにはいろいろな障害が立ちはだかるものですが、決してそれらに回復の邪魔をさせないようにしましょう。 なぜ回復できないかの理由は、みなさんなら、いくらでも思いつくでしょう。しかし敢えて、なぜ回復できるのかという理由に焦点を当てることをお勧めします。 シェーファー、ルートレッジ『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店
  回復に向けて変化を起こすことができない理由はいくらでもリストアップできますよね。 変化が必要な状況に向き合ったとき、私たちはどうしても自分の行動レパートリーの中で最もよく使う問題解決法を使おうとしてしまいます。それが有効でないと薄々わかっていたとしても!! そして、やっぱりダメだった、と自責感に退避し、変化する必要のある現実から目を逸らしてしまうのです。   変化しなくてはならない場面にある人の70%もの人は準備ができていない、とも言われます。 実際に行動を起こすことができるようになるまでには、「行動変容を動機づける5段階」があることは、『摂食障害から回復するための8つの秘訣』で説明してありますよね。   「行動変容を動機づける5段階」の「準備期」の質問に、「実際に行動できない、あるいは、回復に向けて進んでいけない理由、障害となっているものは何でしょうか」の次に、「どうしたら、その障害を克服できるでしょうか」「今この時点で、回復に向けて、どのようなことができるでしょうか」という質問が続き、「うまくいかなかったら別のやり方を試してみる」準備ができているかどうか、「回復したある日」のヴィジョンを明確に持つことができているかどうか、を自分に問いかけることにとり組んでもらっていますよね。 「熟考期」から「準備期」に移行できるかどうかが、過食や過食嘔吐から回復に向かうときの最大の山場になるのですよ。  
覚悟ができていたとしても、それが確実な回復へと繋がる保証はどこにもありません。 ジェニーの回復の道のりも、決して容易なものではありませんでした。何度も何度も顔から転んだり、お尻から転んだりの繰り返しでした、 しかし、いつも彼女からは回復への強い覚悟を感じ取ることができました。ときに、ジェニーは希望を見失うこともありましたが、私は決してあきらめませんでした。 この若い女性は、過去を振り返ることなく、回復への道のりから逸れることなく、前へ進んで行きました。 シェーファー、ルートレッジ『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店
  これはジェニーさんの治療者であったトム・ルートレッジさんの序文ですが、ジェニーさんは何度も何度も回復へ向けて変化を起こし続けたことがわかりますよね。   過食や過食嘔吐から回復するという変化に向かうときに必要な5つの心の姿勢があります。
    • 変わりたいという願望がある
    • 変わる能力があると信じている
    • 変わると良いことがあると信じている
    • 変わる必要があることを自覚している
    • 変わる計画やこれから試してみることについて考えている
これらについて自分自身に問いかけてみるのが、『8つの秘訣』の「自分自身に大切な質問をしてみる」ですよね。  
回復は、自分の不完全さを受け止めて、回復への道は完璧なプロセスではないという事実を受け入れることにほかなりませんでした。 回復への道では、あなたも必ず転ぶでしょう。 でも、転ぶことは何かを学び成長する機会だと考えましょう。 もがきながらまた立ち上がる過程で、何かを必ず学んでいるのです。 シェーファー、ルートレッジ『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店
  「不完全さを受け止める」ことについて、完全 vs. 不完全、という対立構造から完璧主義と白黒思考が生まれること、そして「不完全さ」をどのように受け止めたらいいかについて、過食症の治療のために受診された初診のときにすべての患者さんに説明していますよね。   失敗については、『過食症:食べても食べても食べたくて』のリンジーさんも「失敗を学習の道のりであると考えるようにしました」と「第2章 怖がらずに何でも食べる —— 過食症から回復した私個人の物語」の中で語られていたことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。  
こうして振り返ってみると、回復するということは、それまでの規定の枠組みから外へ飛び出して、柔軟に考えてみるということかもしれません。 シェーファー、ルートレッジ『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店
  「失敗=もうダメだ、回復なんてできない」と白黒思考で考えるのではなく、「失敗=別のやり方を試してみる変化のチャンス」と受けとめることができるようになるためにも、上記の変化に向かうときに必要な5つの心の姿勢が重要になるのですよね。(「回復とは過食嘔吐を手放すことではない」を参照してください) 変化に向き合う、つまり、別のやり方ができるようになるとTamikoさんが「辛い出来事へ対処した話と、切なる願い」で書いていらっしゃるように自分自身へやさしく接することができ、過食や過食嘔吐で自分の心を麻痺させる必要がなくなり、摂食障害症状を手放すことができるようになるのです。   院長 ※三田こころの健康クリニックは6月に芝大門に移転し、【こころの健康クリニック芝大門】に名称も変わります。 移転に伴い、ホームページのリニューアル中です。 ブログ『聴心記』もしばらくお休みになります。6月中には再開できる予定ですので、お待ちください。
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