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対人関係療法のアセスメント〜愛着(アタッチメント)スタイル

[2012.03.26]

もう一つのブログで愛着(アタッチメント)のことはずいぶん書いてますよね。

詳しく説明すると、それだけで1冊の本が出来そうですから、ここでは、「対人関係質問項目」に沿って対人関係療法の治療者が、愛着をどうアセスメントしているのか?を書いてみますね。

愛着スタイルは、

・他者とのかかわり方についての患者自身の認識
・過去と現在の対人関係の評価

から成り立っています。

・ストレスを感じたとき、病気のときなど、他者からの助けが必要な時にどうしているか?
・他者から援助を求められたときに、どう対応しているか?

という質問によって、患者さんが世界をどう体験しているかをアセスメントします。

 

1992年にランバートが報告しているように、心理療法において最も重要なことは、理論や技法ではなく、セラピストとクライエントの関係性だと言われています。

クライエントとセラピストの関係において、乳児期にコピー(転写)された母親(あるいは養育者)のこころの世界と母子関係が再現あるいは反復されるという仮説(愛着の世代間伝達)があるのです。

セラピストがクライエントに“共感”の“まなざし”を投げかけたときクライエントがかつて母親との関係において、“まなざし”を受けている自分に気づき心が動態化したように、クライエントの心が再び柔軟性や弾力性を取りもどすことが最大の治療的要因と言われているんですよ。

 

この事は
・セラピストとの治療同盟を発達させる能力
・治療が有益なものとなる可能性

に直接関係してきますから、対人関係療法の治療者は、愛着スタイルをアセスメントする際に、治療期間中に起こりうる問題を予測し、そのための計画をたてる、ということが必要になってくるんですよ。

愛着理論による愛着スタイル別では、不安アンビバレント型、不安回避型の愛着スタイルの人は、ストレスで精神症状や対人関係問題を生じやすく、根強い信念によって、社会的支援を得ることが困難になり、さらにそのことが症状に対する脆弱性とも関連しますよね。

 

愛着スタイル別に見てみると、安定型愛着スタイルの人は、治療者との関係を構築しやすく、自分の期待を効果的に伝え他者にもサポートを提供することができるため、ソーシャルサポートを有効に活用することができますし、ストレス要因が大きければ困難を抱えることはありますが、脆弱になることは少ないことが予測されますね。
安定型の人は、どのような治療法に対してもよい適応になりますし、また対人関係療法の良い治療対象でもあります。

 

不安アンビバレント型愛着スタイルの人は、治療者との関係を築くことはできても、ケア要求が満たされない時には、緊急性が高まり、依存行動により治療の終結に困難を伴うことが多いんですよ。

 

しかしながら、アタッチメント関連性トラウマを経験している「とらわれ型(不安・アンビバレント型)」と「恐れ・回避型(未解決型)」は、認知行動療法だけでは歯が立たず、対人関係療法がすごく向いていると思われます。

 

不安回避型愛着スタイルの人は、治療者との関係を構築するのが困難で、共感的な体験に対して、かえって反発を感じる場合があり、また背景に発達障害、とりわけアスペルガー症候群がある場合が多く、対人スキルを高めようとする方向付けは本人には不適切で、むしろいつまで経っても周囲に馴染めない自分に自信をなくす結果にもつながりかねないため、対人関係療法よりも、むしろ認知行動療法に適していると言われます。

それでも対人関係療法で治療を進める場合には、正式な対人関係療法による治療に移行する前に、治療同盟の構築に取り組む必要があるといわれます。

 

愛着理論は、ケアを受けたり与えたりする意義のある対人関係を構築し維持するという前提に基づいていますし、このプロセスの本質は、「対人コミュニケーション」にありますから、次回は、コミュニケーションスタイルのアセスメントについて書いてみますね。

院長

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