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ダイエットと摂食障害

[2013.10.15]

ダイエットが摂食障害の誘発因子(≠原因)の一つであることはよく知られていますよね。

ダイエットを始めるパターンは、運動部に所属していた人が引退して少しずつ体重が増えてきたと心配してダイエットに励む場合や、軽い気持ちで友達と一緒に始めたダイエットから抜け出せなくなってしまう場合、あるいは体調を崩して食べられなくなり体重が減ったことでダイエットを始める場合など、いろいろあります。

 

ダイエットは摂食障害の誘因にはなっているのですが、摂食障害という病気に結びつくには、ダイエットを始めた背景(心理的要因)を考えることが必要です。(『摂食障害の準備・誘発・維持因子1』参照)

ダイエットにはまり込む心理的要因としては、もともとの「いつも何かに頑張らなければ」という性格傾向(粘り強さ(固執)や冒険好き(新奇性追求))があり、それがダイエットの過活動に結びつきますが、
勉強や部活に打ち込んだ時期があり、「思ったような成果が得られなかった(挫折体験)」とか、「心に傷を負うような出来事があった(喪失体験)」とか、「自己不全感」や「行き詰まり感」の中で摂食障害が発症してくるようです。

 

摂食障害の患者さんの感じ方は、

ダイエットは自分の能力や意思力の評価基準と考えており、それに自分を重ね合わせ重視している。
ダイエットに失敗したとしても、食事規制が厳格で極端すぎるからではなく、自分の意志の弱さと考える。
ダイエットは強い自己コントロール感をもたらす。
ダイエットは体重調節の主たる方法である。
(主観的または客観的な)過食のある患者では、ダイエットは過食の影響をチャラにする代償手段である。
(主観的または客観的に)太っていると感じる患者では、ダイエットを適切に緩和することは困難である。

という特徴が知られています。

その中で患者さんは、ますますダイエットにはまり込み、不安や後悔(罪悪感)を引き起こしますし、(主観的または客観的な)摂食抑制が過食の主な誘因になることも知られています。

そうなると体重や体型、または食事へののめり込み(視野狭窄)は、自己評価を積極的に高めることのできる他の生活領域(趣味、活動、才能、経験)を圧迫し、ますます摂食障害の病理の悪循環を強めてしまうのです。

 

ただ、ここで注意していただきたいのは、「ダイエットさえしなければよかった」と原因探しになってしまわないようにということです。またご家族も、「自分たちのせい」と罪悪感を抱くことも、対人関係療法による治療にとってはプラスにはなりません。

 

ダイエットのきっかけとなった出来事や、摂食障害になったことが自分にとってどういう意味があったのか、をふり返り、人生の質を高めるにはどのようなやり方やスキルを身につけていけばいいかを考えるチャンスにして欲しいと思います。

院長

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