注意欠如・多動症(ADHD)と摂食障害
ADHDとは
ADHDは発達症の一つで
- 多動
- 衝動性
- 不注意
といった傾向のことです。大人になってから急に発症するものではなく、子供のころからありますが、症状が軽い場合には目立ちません。そうした方の中に、大人になって進学や就職、結婚など人間関係が複雑になり、行動の範囲も広がることで問題が表面化してしまいストレスとなり、うつ状態/適応障害をきたすことがあります。
ADHDは、病気というよりは特性になります。
それが問題となると症状となりますが、症状によっては、お薬のサポートによって軽減することができます。
生活の工夫やルールでミスをカバーすることで、生きづらさを和らげていきます。
摂食障害と神経性過食症
摂食障害の方をみていると、ADHDは神経性過食症と関連があるだろうと実感することが多かったのですが、実際に報告が2010 年頃から論文でもみられています。
(2012年に発刊された「摂食障害治療ガイドライン」にはまだ言及されていませんでした。)
ADHDの衝動性が直接過食や嘔吐に結びつきやすいことと、ADHDの特性によって学校や仕事でストレスをためてしまうことにより、より過食欲求が高まることが想定されます。
ADHDの治療薬のみで過食嘔吐がなくなる、というわけではありませんが、改善に向かう方は多い印象です。
ADHDの薬物治療に併用して摂食障害の標準治療を行なったり、ストレスに対する緩和方法を検討することで過食嘔吐がほぼ消失する方は実際にいらっしゃいます。
私はコンサータ登録医ではありませんので、ADHDに合併された摂食障害で治療が必要な場合には
・ストラテラ
・インチュニブ
の2剤が選択肢となりますが、連携している田町三田こころみクリニックでコンサータを処方できる医師もおります。
ADHDの症状がとても強い方は是非そちらの受診をおすすめ致します。