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摂食障害をきっかけに人生の質を向上させる

[2016.04.04]

8つの秘訣』の8つ目の秘訣は「人生の意味と目的をみつける」ということで、精神性や魂の領域、つまり、自分自身の深い部分とのつながりを構築し、自分に対する信頼感を回復するということでした。

 

ユング派でいう「影(シャドゥ)」をも統合した自己実現と同じようなプロセスですから、この8つ目の秘訣は、人それぞれ取り組む課題は千差万別です。

でもその本質は万人に共通すると思いますので、少しだけ紹介しようと思います。

以下に、アメリカ先住民に伝わる物語を紹介します。ちょっと考えてみましょう。

老人が過去にあった悲しい出来事への思いを孫息子に話していました。
老人は言いました。
「まるで、心の中にオオカミが二匹いて戦っているようだ。一匹は復讐心に燃えて、怒りに震え、凶暴だ。もう一匹は、愛情深くて、思いやりがある」。
そこで孫息子が聞きました、「心の中での戦いに勝つのはどっちさ?」。
老人は答えました、「自分が餌をやったほうだ」。

摂食障害の部分と魂の部分(健康な部分)についても同じで、「餌を与え」たほうが強くなります。
回復に向かおうとするということは、魂の部分に栄養を与えて力をつけることにほかなりません。
「4つの方法」に含まれるどの原理も、魂に栄養を与えて人生に意味をもたらそうとするものです。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

このパラグラフは秘訣2で登場した「自分の中の摂食障害の部分を癒すのは健康な部分」と重なってきますよね。

8つの秘訣』では「健康な部分」を「魂の部分」と呼んでいて、もしこの言葉に抵抗があるならば、私がやっているように、「心の本質(nature of the mind)」と読み替えた方がいいかもしれませんね。

どんなに病気が重く、苦しかったとしても、心の本質(健康な部分 or 魂の部分)はそれでもちゃんとそこにあった、ということですよね。

 

4つの方法の1つ目の原理は「魂とつながりあう」で

自我が問題になるのは、それがあなたのすべてだと思いこんでしまい、魂の部分とのつながりが失われたときです。
あれこれ考えるのをやめられなくなり、状況をそのままに受け容れたくないと抵抗を感じるようになったら、自我が支配しているということです。
自我に支配されると、過去または未来の時間を生きることをやめられなくなり、「ああ、あのときああなってさえいれば」や「こうなってくれさえすれば」という発言が多くなり、今この瞬間をありありと体験しながら存分に生きることができなくなります。
あなたが摂食障害を発症しているのでしたら、自我が暴走しているのです。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

このパラグラフで表現されている「自我(エゴ)」とは、何かしら存在するものではなく、心の機能の一部である「良い/悪い」に基づくジャッジメントや、決めつけを多用する「頭の中の言葉(内言語)」である「思考」が優位になった状態で、ヴィヴィッドな体験である身体感覚や感情を感じられなくなった状態を「自我(エゴ)」と呼んでいるのです。

 

この「自我(エゴ)」の策略にかかると、水に描いた絵のような過去の行為に心を奪われ、干上がった谷川で魚を釣るような未来に思いを馳せてしまい、夢の中でする家事のような今の行為を続けるように意味のない苦労(気そらし)に時を浪費してしまいますよね。

魂に気遣うということは、問題を繕って、病を癒すのとは異なり、今この瞬間をありありと体験して、注意を向け、ありのままに人生を生き、魂そのものに備わった神聖さと世高さと価値を求めることです。
魂を気遣えるようになると、今までは必要だと感じていた過食、拒食、嘔吐、目標体重を達成するといった事柄が、意味を失っていくのです。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

この後に『8つの秘訣』には

運動したい、食べたくない、過食と嘔吐をしたいと思っているときに、私の魂は本当は何を求めていて、何と叫んでいるのだろうかと気に懸けることが、私の回復には不可欠でした。
(中略)
魂の部分に耳を澄まして、本当に願っていることに気づき、摂食障害行動の代わりにその本当の願いに沿って行動したら、ここまで回復することができました。
本当の願いに沿って行動することは、摂食障害に関連したどんな行動をすることよりも気分を良くしてくれるものです。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

と体験者の感想が書いてあります。
このような価値に基づく行動の方向性を示してくれるのが、「自我(エゴ)」ではなく「心の本質(nature of the mind)」なのです。

三田こころの健康クリニックでも、過食衝動が起きたとき

・何(どの出来事)がきっかけだったのか?
・その時どう感じて、本当はどうなって欲しかったのか?

と内省してみることを勧めていますよね。

 

著者のコスティンさんも

こうした内容を読むだけでは、なかなか実感として理解できないかもしれません。
感覚をつかむためには、実際に方向性を示してもらい、いくらかの信頼とやる気をもち、自ら実践する必要があります。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

と書いていますので、次回も読み進めてみましょう。

院長

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