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摂食障害から回復するためのこころの姿勢

[2017.03.13]

摂食障害行動(乱れた食行動)から回復するための第一歩は「自分自身を見つめ直し、正しく理解すること」ですが、自分を見つめ直すこと(内省)と、ダメ出し(反省)を混同しないことがすごく大切です。

この具体的な取り組み方については『摂食障害の部分と健康な部分の対話1』と『摂食障害の部分と健康な部分の対話2』に書きましたので、参照してくださいね。

三田こころの健康クリニックでは、

◇自分を責める。
◇人と比べる。
◇なぜ?どうして?と原因探しをする。

という「病気の策略」の3パターンを教えていますよね。

 

自分を責めることは、発奮させる方法でもあるのですが、「完璧主義(…ねばらならい;べき思考)」や「all or nothing(白黒思考)」につながりやすいのです。

人と比べることは「あぁなりたい」と理想の方向性や目標を見定める手段ではあるのですが、「それに比べて自分は…」と方向性が自責につながりやすい陥穽が潜んでいます。

そして原因探しのときの「なぜ?どうして?」は理由を問うているのではなく、攻撃のニュアンスを含むため、やはり自責につながりやすい傾向があります。

 

これら3つはすべて自責につながるのですが、自責そのものが悪いわけでなく現状を変えたいという気持ち(モチベーション)が機能しない形で表現されただけなのです。

 

(食べ物や痩せることへの)執着は、自分がおかしい証だと考えるのではなく、今までの人生を生き抜くために必要だった自己防衛のメカニズムなのだ、と考えられるようにならなければなりません。

この自己防衛は、人と違うことで誤解され否定されているように感じたり、打ちのめされそうになったりすることで受けていた心へのストレスを耐え抜くために学んだ方法なのです。

乱れた食行動をするようになったのは、ストレスの多かった頃や心が危機的状態にあったとき、身近にあるストレス対処法の選択肢やスキルがどれだけ限られていたか考えると、実はそんなに悪いことではなかったのかもしれない、と思えるようになる必要があります。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語』星和書店

 

三田こころの健康クリニックでは「ネガティブな対応の仕方を力に変えて内在化する」ことで、機能しない自責を本来の姿に戻すことを説明していますよね。

 

本当の問題が引き起こしている錯覚に惑わされることなく、乱れた食行動の影に隠れている葛藤や感情を表に出して解決することに全力を注ぐことができれば、乱れた食行動の役割や意図を知ることができます。

まだうまく対処する方法を知らないがゆえにあなたを苦しめている数々の問題から、乱れた食行動がどれだけ気をそらしてくれているのかに気づくことでしょう。

また、これから直面するであろう恐怖や過去の痛みからも、その時々に気をそらしてくれている、ということにも気づくでしょう。

乱れた食行動がこんなにも依存的なのも、無理はないのです。

ジョンストン『摂食障害の謎を解き明かす素敵な物語』星和書店

 

「ネガティブな対応の仕方を力に変えて内在化する」ことは、「○○する能力」として扱います。

自分を責めることは自分を発奮させる能力、人と比べることはああなりたいと目標を設定する能力、原因探しをすることは現状を変えようとする能力。

あるいは、過食することで危機的状況を乗り越える能力。
その力や能力をどう使うか? それが本来の姿に戻すということですよね。

 

このように位置づけることで、『8つの秘訣』にもあるように

「回復した」としたら、摂食障害行動を使って、日常のほかの問題に対処したり、問題を避けたりする必要はなくなるのです。

つまり、摂食障害行動以外に起こり得る問題や、自分の中のどうしようもない感情への対処方法(スキル)を身につけていくことが回復へのプロセスであることが明確になりますよね。

 

院長

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