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対人関係療法による摂食障害の治療〜焦点とする問題領域

[2012.05.28]

対人関係療法では、発症や症状の経過は、対人関係の影響を受け、また症状が対人関係に影響を与えるという観点から、

に取り組んでいきますよね。

具体的には

の4つの問題領域がありますよね。

若い女性にとってダイエットは日常茶飯事となっており、その延長として、過食や自己誘発性嘔吐でさえ、珍しくなくなっています。
しかし、すべての女性が摂食障害になるわけではありませんよね。

 

神経性大食症(過食・過食嘔吐)の治療ではその慢性性に焦点を当て、ダイエットや過食嘔吐という習慣に「はまりこむ」要因、つまり、症状を維持している対人関係問題領域(維持因子)が重視されます。

維持因子としてよく見られるのは、「対人関係上の役割をめぐる不和」と「対人関係の欠如」ですよね。

 

対人関係上の役割をめぐる不和」では、重要な他者との役割期待のずれが慢性化し、無力感や絶望感が蓄積されています。
イライラなどのネガティヴな感情が過食のエネルギーを供給していますよね。

対人関係の欠如」は、神経性大食症(過食・過食嘔吐)の治療では特有のかたちで用いられるんです。

つまり、対人関係の数や範囲は適切であっても表面的で、一見、人気があったり仕事で成功していたりするけれども慢性的な自尊心の低さを抱えており、人との関係でも満足を見いだすことができず、安定した関係を維持することが困難というタイプです。

このようなタイプの人たちは、「淋しい」と孤独感や空虚感を感じることが多いように、人にどう思われるかが心配で、自分の気持ちを伝えられない非アサーティブな人が多いため、常に自分でガマンを抱え込んでしまいますよね。

維持因子がいずれの場合も、過食は自分の苦しさを軽減・麻痺させる手段として使われていますよね。

 

ライフチャートから、過食につながるパターンを見いだし、症状と問題領域の関連づけ(フォーミュレーション)を行い治療で取り組んでいく目標を一緒に具体的に考えていきますよね。

 

治療目標の設定は、患者さん自身が出来ることからはじめて、どういうやりかたをすれば、過食につながるパターンを変えられるか、患者さんが自分自身で「できる」という感覚を養い、そのやり方にある程度自信が持てるようになる、というところを目指していきます。

変化を起こそうとするのは、あくまでも患者さんの実生活の中であり、治療現場(面接室)ではないですよね。

三田こころの健康クリニックで対人関係療法の中期で取り組んでいくことは、こういう感じですよね。

 

患者さんに変化が起きてきたときには、周りとの関係も変化してきます。

その時にちょっとした注意が必要な場合もありますので、もう一つのブログも参照して下さいね。

院長

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