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対人関係療法のアセスメント〜コミュニケーションスタイル

[2012.04.02]

前回のエントリーで愛着スタイルが、ソーシャルサポートや、重要な他者からの支援に影響するだけでなく、治療者との関係にも影響を与えることを書きましたよね。

不安定な愛着スタイルの人は間接的で不明瞭・アンビバレントな要求は、相手から配慮のある反応を引き出す代わりに、当たり障りのない失望するような反応や時には敵意さえも引き出しかねませんよね。汗

 

他者への要求の伝え方は、治療プロセスだけでなく、改善においても重要な意味を持ちます。

対人関係療法で「コミュニケーション分析」を行う際、詳細な描写や会話の内容を再現できる患者さんは、対人関係療法に取り組むために必要なナラティブな情報を提供することができますので、対人関係療法が向いていると判断されますよね。

しかし、一方では、重要な他者との衝突の実際や対人関係について場面や他者の視点からの描写が困難な人もいらっしゃいます。
このことは洞察力に対するアセスメントにも関与してきますし、むしろ、認知行動療法などの対人関係療法以外の治療が向いていることが多いようです。

 

対人関係療法で行う「コミュニケーション分析」では

・相手はどんな言葉で何を言ったのか?
・そう言われて自分はどう思ったのか?
・相手はなぜそんなことを言ったと思うか?
・自分はどういう言葉で何を言ったのか?
・本当に言いたかったのはそういうことなのか?
・相手はそれを聞いてどう思ったと思うか?

などを詳細に見ていきますよね。

たとえば「話したけれども、相手は聞いてくれなかった」というような場合、
・どう話したのか
・「聞いてくれなかった」という結論は、相手のどのような言動から導き出したのか

ということを振り返っていくと、思い込みにより現実からズレていたということはよくありますよね。

そもそもよく見られるコミュニケーションの問題として

などが挙げられていますよね。

 

これらのコミュニケーションの問題は、

・重要な他者からのサポートの拒絶
・不安定な愛着スタイル信念の強化
・要求のエスカレートとさらなる拒絶

という「対人関係の役割をめぐる期待の不一致(不和)」につながりますよね。

このような「自分に都合の悪い結論を引き出そうとする」病理は、気分変調性障害にもよく見られるところですよね。

 

気分変調性障害は、薬物療法単独の効果はそれほど期待できず、対人関係療法や認知行動分析システム精神療法が効果があると言われています。

対人関係療法でコミュニケーションのパターンの修正は

・患者が直接に対人関係問題に取り組む方がより効果的な問題解決が起こる
・他者が効果的に対応できる方法で援助を求めると、社会的支援が改善する
・コミュニケーションとサポートの改善が、対人関係の危機や症状の改善に役立つ

という3つの利益をもたらすんですよ。

そのため、三田こころの健康クリニックでは予備面接(治療の土台作り)で、『コミュニケーションのあり方』というプリントを使っているんですよ。

院長

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