職場復帰支援(リワーク)
リワーク外来
休職中で復職を希望される方の、リワークプログラム参加目的の外来です。
リワーク希望の方はリワーク外来をご覧ください。
(復職された方は、メンタルヘルス外来でフォローアップします)
こころの健康クリニック芝大門は、日本うつ病リワーク協会の施設会員であり、院長は日本うつ病リワーク協会で精神科医療及びリワークプログラムに関する知識および経験を有すると認められた『日本うつ病リワーク協会認定スタッフ(略称:リワーク認定スタッフ)』です。
心理社会的治療に特化したリワーク・プログラム
リワークとは 、“Return to Work” の略で、うつ病・うつ状態など精神疾患で休職中の方を対象に、職場復帰に向けたリハビリテーション・プログラムを提供する支援サービスです。(「うつ病・うつ状態」参照)
こころの健康クリニック芝大門では、共通プログラムと同時にさまざまな疾患別プログラムを準備しています。
職種も休職にいたった経緯もさまざまな人たちの多様なニーズに対応できるように、「生物・心理・社会・職業モデル」をベースに、「自己-関係観察」を実践方法としてプログラムを構築し、リワークでの心理社会的治療を行っています。
このリワークプログラムは、うつ病・うつ状態以外にも、適応障害、パニック障害、社交不安障害、神経性過食症などの疾患にも対応可能です。特に、職場の人間関係の問題を抱える人には最適のプログラムになっています。
リワークの対象疾患は「リワーク(職場復帰支援)外来」を参照して下さい。
リワークプログラムでは、復職はスタート地点であり、復職後も再休職することなく働き続けられ、休職前と同じ状況におかれても体調を崩さず再休職しないように、さまざまなスキルを身につけることです。
職場復帰を成功させる指標として以下の3つが知られています。
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- 社会適応度が高い
- ワーキングメモリ成績が良い
- 睡眠薬・抗不安薬が少ない
適応障害(反応性抑うつ)や神経症性抑うつでは、抗うつ薬の服用によって病態が遷延している場合があります。
2種類以上の抗うつ薬、あるいは、2種類以上の抗不安薬(睡眠薬を含む)を服用中の方は、リワーク開始前に薬物調整や減薬を主治医の先生にお願いしてください。
復職までのステップ
こころの健康クリニック芝大門のリワークプログラムの特徴は、「生物-心理-社会-職業モデル」にそって、3つの関係性の軸と4つの段階をステップアップしていきます。
『精神心理療法に特化したリワークプログラム』『リワークプログラムでの精神心理療法の実際〜復職可能になるまで』を参照してください。
生活リズムを整えていく「社会リズム療法」をベースに、自分自身との関係を改善していく「認知行動療法」、行動の仕方を変えていく「アクセプタンス&コミットメント・セラピー」、表情やコミュニケーション内容から他者の心の状態を推測する「メンタライゼーション」のトレーニングや「対人関係療法」によって、ストレスコーピングや職場の人間関係の対処の仕方について、精神科産業医である院長が指導し、職場復帰を目指していきます。
プログラムの内容については、『休職とリワーク、復職をめぐるあれこれ』『リワーク(職場復帰)プログラムと自分の考えとの向き合い方』を参照してください。
(1)自分自身との関係
1.セルフマネージメント機能を高める
「社会リズム療法」、自己管理、セルフモニタリング、
振り返り(自己受容・価値や目的の創造と行動)、
コミュニケーションの基礎(自己内対話)
2.心理的柔軟性を高める
自己受容・価値や目的の創造と行動、
思考や感情との向き合い方、行動変容
「認知行動療法」「アクセプタンス&コミットメント・セラピー」
(2)二者関係
3.社会的機能を高める
コミュニケーションの基礎(人の心の仕組みと動き方を知る)
「メンタライゼーション」「対人関係療法」、ロールプレイング
感情認知、原因帰属様式、結論への飛躍、心の理論といった複数の領域を治療対象としたプログラム
(3)集団との関係
4.就業的機能を高める
解決志向アプローチ、グループ対人関係療法、グループワーク
社会認知ならびに対人関係のトレーニング
1週間のリワークプログラムの例
自分自身との関係、二者関係、集団との関係について、心理学的柔軟性、対人コミュニケーション機能、社会・職業的機能を高めていくプログラムの一例を示します。
共通プログラムでは、セルフ・モニタリングと、自分自身あるいは他者の精神状態に焦点を当てるメンタライゼーションを中心に、自分自身との関係を改善し、行動の仕方を変えていくことを目標にしています。
疾患別プログラムでは、抑うつ障害だけでなく、双極性障害、不安障害、身体表現性障害、摂食障害、発達障害特性を有する人など、さまざまな病態に対応できるプログラムを準備しています。
こころの健康クリニック芝大門のリワークは、心理社会的治療に特化したことで、リワークに必要な時間は1日3時間(1.5時間x2コマ)で週4日になりました。このリワークプログラムで、復職可能の診断書を提出するまで平均3ヶ月という結果がでています。
つまり、一般的なリワークの約4割の負担で、一般的なリワークの4〜9ヶ月に匹敵する費用対効果の髙いリワークプログラムが可能になりました。
こころの健康クリニック芝大門のリワークプログラムの、時間対効果、費用対効果については、『関係性療法にもとづくリワークプログラムの効果』を参照してください。
復職判定
復職時には主治医による復職可能の診断書をもとに、産業医が面談を行い最終的に復職可否の判断を下します。
こころの健康クリニック芝大門で行っている「復職可能の判定」は、産業医が一般的に行う勤労意欲、定時起床、一晩での疲労回復、集中力・注意力の持続だけでなく、うつ病リワーク協会の「職場復帰準備性評価シート」を用いて、再発・再休職防止まで視野に入れた職場復帰の可否を判断しています。
精神科産業医である院長が、産業医の視点から復職から職場復帰をサポートしていきます。