こんにちは、新米臨床心理士のM美です😉

12月に入り、クリスマスソングが街中やCMで流れるようになりましたね。

私はカトリック系の学校に通っていたのでこの時期になると音楽の時間ではクリスマスミサのために聖歌を練習していました。その中には街中やCMで流れるような有名な曲もあり、「この曲に歌詞あったんだ!」「クリスマスソングのほとんどって元々は聖歌だったんだ!」と、とても楽しい気持ちで練習していたことを思い出します。
キリスト教徒ではありませんが、あの頃に経験したクリスマスミサの荘厳な雰囲気と聖歌の美しさは私の中に大切にしまわれている記憶です。やはりクリスマスはキリスト教の真骨頂というべきか、本当に美しい時期ですね。

さて、長らくディスチミア親和型うつ病や未熟型うつ病などの【新型うつ病】についてまとめてきましたが、今週はその最終章です。

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M美:「今週もI先生をお呼びしました!今週もよろしくお願い致します。」
I先生:「よろしくお願いします。」

М美:「何回かに分けて【新型うつ病】や【ディスチミア親和型うつ病】、【未熟型うつ病】などの若年者のうつ病についてお聞きしてきました。それぞれ切り口が異なり、異なる病理を描いていますが、いずれも抗うつ薬の効果が弱く、軽症ながら難治な病態として注目されているものですね。」
I先生:「色々複雑になっていますよね。症状だけを診るからこういうことになるんですよ。うつ病を十把一絡げにせず、元々はどんな人だったかという視点を持たなければなりません。」

М美:「(じっぱひとからあげ?)元々はどんな人だったかという視点ですか…」

I先生:「例えば、蓄膿症の人が鼻が詰まっているからと口を開けて寝ていて喉が痛くなった人と、扁桃腺が元々弱く、何日も睡眠不足が続き喉が痛くなった人がいたとしましょう。症状だけを見るとのどの痛みですが、同じ治療でいいのでしょうか?」
М美:「なるほど!たしかに今まさに困っているのどの痛みは対処するとしても、蓄膿症の人は蓄膿症を、扁桃腺が弱い人は扁桃腺へのアプローチをしなければ根本的な治療にはならないですもんね!これを新型うつ病に当てはめると、うつ病に効果があると言われている(認知)行動療法における『行動活性化』が治療の主軸となり、場合によっては補完的に薬物療法を行っていくということでしょうか?」

I先生:「正しく言うと、メランコリー親和型うつ病などの古典的と言われるうつ病は過剰適応における疲弊状態のことをいうので行動活性化は安静休養を終え、リハビリ期に入ったあたりから有効とされています。憂鬱感が軽くなってきて生活への興味がなんとなく戻ってきたけれど、手がつかなかったり根気がなかったり興味が湧かないといったノルアドレナリンが不足している時期ですね。」
М美:「ノルアドレナリンを増やすためには、まずセロトニンを増やしノルアドレナリンの分泌バランスを安定させることが重要ですね。ノルアドレナリンは心身を緊張させ、パフォーマンスを上げることに一役買っています。ブーストされることで、例えば大勢の前でのプレゼンという困難を乗り越えることができるんですね!しかし、いつも気を張っている緊張モードでいるとノルアドレナリンは有限なので枯渇してしまいます。枯渇を防ぐためにはプレゼンという場面に慣れること、つまりストレス耐性を上げる事が重要ですね!」
I先生:「その通りです!そのためにメランコリー親和型うつ病であれば、安静休養期後のリハビリ期から『行動活性化』を土台とした介入を行っていきます。」

I先生:「一方で、ディスチミア親和型うつ病はお薬の効果が弱く、休養と服薬のみではしばしば慢性化するという特徴もありますね。なので『行動活性化』を治療の主軸としていくのがいいでしょう。ディスチミア親和型うつ病は元々のストレス耐性の低さに加え、それゆえに成功体験が少ないです。つまり、報酬系の物質であるドーパミンが不足しているのです。」
М美:「あ!成功体験が少ないことでドーパミンが分泌されない結果、訴えにある『喜びや生きがいがない』に繋がるわけですね!」
I先生:「自分で決めたプランをやる。自分の行動を自分で評価する。起きたことはどんな理由があっても自分の責任。他人のせいにせず、嘘をつかない。これらの積み重ねによって少しずつ成功体験を増え、自分への自信に繋がっていくのです。」

М美:「そのための『行動活性化』!!!行動活性化とは、簡単に言えば日常生活の中で気持ちが楽になる行動を増やしていくというものですよね。実験と同じような構図で、まずやってみて効かないなら改良したり別の案を考えたり。」

I先生:「そうですね。そのためには感情や思考と行動は別であることを知る必要があります。『やる気が出ない(思考・感情)から仕事に行けない(行動)』ということはないんです。やる気がでないなあ~と考えながらも体は動くんです。どんなに悲しくてもトイレには行きますよね?どんな気持ちを抱えていても体は動くんです。行動活性化についてはいつかじっくりお話しますね。」

М美:「では、未熟型うつ病の場合も『行動活性化』が主軸となっていくんですか?未熟型うつ病が『未熟』と言われる所以は、集団に適応するという発達段階をパスしていないからですよね?」
I先生:「そうですね。未熟型うつ病は発達段階において『やり残し』があるのです。ディスチミア親和型うつ病とは違い、葛藤耐性の低さから葛藤するかもしれないという場面から回避しがちです。『行動する』という部分がとても苦手なのです。なので『行動活性化』と平行して対人学習を進める必要があります。集団に入り、そこで経験する葛藤を回避せず、きちんと向き合う。勤勉性から鍛え直すのです。」

М美:「あ!蓄膿症の人と扁桃腺が弱い人のようにですね!!!根本治療にディスチミア親和型うつ病と違いがあるんですね!」

I先生:「しかし、若年者において、その精神的な成熟度が低く、規範や秩序、他者への配慮が乏しいということは、精神発達の段階からみてもすぐに病的なものであると決めつけてしまうのはとても危険です。若年者が未熟なのは当たり前のことですからね。目くじらを立ててすべてを病的なものにしてしまうのは問題です。」
М美:「たしかに!しかも今の社会の風潮が昔ほど規範や役割意識を強調するものではなくなってきているので、近年若年者でこのような傾向が強くなり、精神的な成熟にさらに数年かかるようになってきたと言われていますよね。」
I先生:「しかも職場に余裕がなく、労働者にかかる心身の負担が増えてきているそうですよ。ならば、勤務経験の少ない、スキルの習熟度が低い若年者のうつ病や抑うつ状態が目立つようになるのも必然ですね。幼少期に指摘されていない軽度の発達障害も不適応をきっかけに発達障害らしさ、アスペルガーらしさが強調されることは良く知られています。これを二次障害と呼びますね。それと同じように何らかの原因で精神的な不調に陥れば若年者に共通する一般的な特徴が一時的に強調されて出てくるのも自然なことです。」

М美:「社会の構造が変わり、基盤にある日本人像が変わればうつ病患者の病像も変わるのは当たり前ですね!」

I先生:「一方で、若年は双極性障害のうつ病相や統合失調症の好発年齢であること、軽度発達障害の方が社会に出て適応困難を起こしやすい時期でもあります。これらの鑑別はきわめて難しく、専門家が診断面接を数多く重ねてはじめてみえてくるものです。症状だけをみて安易に『新型うつ病』と決めつけてしまうのは症状の見落としなどを招き、結果誤診に繋がります。なので元々はどんな人なのかという視点が重要になってくるのです。

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いかがだったでしょうか?
『行動活性化』については近いうちに触れたいと思います。
からあげ食べたいですね。

それでは、また来週〜♪

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三田こころの健康クリニック新宿(精神科・心療内科)

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