こんにちは、新米臨床心理士のM美です🍁

温度差にやられてしまったのでしょうか…
再び風邪をひいてしまい、久しぶりの発熱に苦しみました…
熱が出た後も肉体的な疲労や寝続けたことによる体力の低下の影響があり、なかなかしんどい日々でした。

そういえば最近運動していなかったかも!と慌ててストレッチをしてみたり、乳酸菌を摂らなきゃ!とヤク〇トやミル〇ルをぶち込んでいる毎日です。

今週のテーマは先週に引き続き【新型うつ】です!
前回、『新型うつ』の特徴ともいえる若年者のうつ病について様々な切り口からが研究されていることをお話ししましたね。今回はそこをもう少し深めていこうと思います。

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M美:「今週もI先生にご教授いただきたいと思います!よろしくお願い致します。」
I先生:「よろしくお願いします。」

М美:「前回の最後に未熟型うつ病やディスチミア親和型うつ病など、聞きなれない名称が出てきましたが、これらは一体何なのでしょう?」

I先生:「まず、従来のうつ病は『反応性うつ病』と『内因性うつ病』に分類されていました。これらの違いはもうわかりますね?」
M美:「はい!『反応性うつ病』は背景に人間関係によるストレスなど心理的な要因があって、ストレスへの対処や対応が必要です。一方、『内因性うつ病』は心理的な要因が特に思い当たらないなど、心理的な背景からでは理解しにくい原因不明のうつ状態のことで、主に薬物療法がおこなわれています。」
I先生:「そうですね。米国精神医学会の『精神疾患の分類と診断の手引き(DSM)』によって、うつ病とうつ状態の線引きが曖昧になったことでうつ病・うつ状態・抑うつの多様性が広がっています。『新型』や『現代型』と呼ばれるうつ状態が現れたのもそれがきっかけかもしれませんね。」

М美:「ということは未熟型うつ病もディスチミア親和型うつ病もいわゆる『新型うつ病』を指す概念ということになるのでしょうか?」
I先生:「『新型うつ病』『現代型うつ病』には定義がなく、とても広い意味を持っていますからね。そうだともいえますし、違うとも言えます。未熟型うつ病は双極性障害のバリエーションの1つとも言われていますからね。また、ディスチミア親和型うつ病を『新型うつ病』と呼ばれることが多いですが、そもそも『うつ病』ではないという指摘もあります。いずれにしても若年者の症状についての概念なので一般に理解されている『新型うつ病』等と重なる部分は多くあるでしょう。」

М美:「どちらもうつ病とついていますが『うつ病』という枠では捉えられていない部分もあるんですね!(ややこしいな!)
I先生:「ディスチミア親和型うつ病も未熟型うつ病もそういう診断基準がきちんとあるわけではなく、大まかな概念であり分類なので人によって理解が少し違ったりと『ムラ』が出やすいんですよ。理解を深めるための1つの手立てだと考えてください。」
М美:「(ブログにまとめるの大変だなあ…)

М美:「ディスチミア親和型うつ病はそもそも『うつ病』ではないという指摘があるとのことですが、そもそもディスチミア親和型うつ病とはどういった症状を指しているのでしょうか?」
I先生:「ディスチミア親和型うつ病はスチューデント・アパシーや退却傾向と無気力に関連する気質を持つと言われています。」
М美:「えーっと、スチューデント・アパシーは学生特有の無気力状態、退却傾向は無気力・無関心が生活全般に及ぶのではなく、その人の生活の中核をなす本業の部分に限定されるという笠原さんが提唱した概念ですね!(カンペ)
I先生:「そうですね。症状が出現する前の元々の性格としては、役割を抜きとした自分自身への愛着を強く持っています。規範に対しては『ストレスである』と抵抗し、秩序に対して否定的な感情を持っていることが多いです。漠然とした万能感を持っており、元々仕事に対しては熱心ではないところがあります。一方、古典的うつ病と言われるメランコリー親和型うつ病はむしろ社会的役割や規範への愛着を持っていますから、規範というものに好意的で同一化することで安心を得ています。秩序を愛し、配慮的で几帳面。基本的には仕事熱心な方が多いです。」
М美:「まっ真反対?!?!」

I先生:「発病後の症状もメランコリーは焦燥と抑制、疲弊と罪悪感が中心となります。一方でディスチミアは、不全感と倦怠、回避と他罰的感情が中心となります。」
М美:「たしかに前者では『みんなに迷惑をかけて申し訳ないので早く治して会社に戻りたい』というお話をよく耳にしますね。一方で後者では『仕事になるとやる気が起きない、意欲が湧かない』といったお話をよく聞きますね。」
I先生:「後者はまだエネルギーが残っている状態なんですね。なので余暇などは楽しめるのですが全体的に回避的で会社の制度や上司の指導方法など自分以外に目が向きがちなんですね。一方で余暇などにも出られない引きこもりタイプもいます。これは未熟型うつ病ともいえるタイプなのでまた今度ご説明しますね。」

I先生:「メランコリーの場合、完遂し兼ねない『熟慮した』自殺企図の危険性があります。身の回りが整理整頓された、靴を揃えてという印象です。一方でディスチミアは衝動的な自傷行為があり、ふといなくなってしまうような『軽やかな』自殺企図の危険性があります。遺書も何もない、突然消えてしまったという印象ですね。」
М美:「ああ…イメージが湧きました。」
I先生:「また、『うつ病』の診断が出た時にメランコリーは診断に抵抗を示します。しかし、治療の経過が進むにつれて『うつ病』の経験から『無理をしない生き方』を身につけ、新たな役割意識の獲得することができます。」

М美:「なるほど!役割意識を重視するので一旦『病者の役割』を担ってもらえれば、ある意味真面目に治療に専念してくださるという事ですね。その後もうつ病という経験が役割意識として生かされうる。」

I先生:「一方でディスチミアは『うつ病』の診断に協力的です。回避の現れと言えるでしょう。よって『うつ症状』の存在確認に終始しがちで『うつの文脈』から離脱困難です。」
М美:「慢性化しやすいというのはこういうところからきているんですね!」
I先生:「はい、なので休養と服薬のみではしばしば慢性化しやすいのです。薬物への反応も部分的な効果にとどまり病み終えない印象です。また、『生き方』と『症状の経過』の境目がわかりにくいという特徴があります。『(単なる)私』から『うつの私』で固着し、新しい文脈は形成されにくいと言われています。」
М美:「メランコリーは疾病による行動の変化が顕著なので境目はわかりやすいですし、休養と服薬で全般的に軽快しやすいのでこういった点でも違いは見えてきますね!」

М美:「休養や服薬の効果が薄いとなると、ディスチミアの治療はどういったことが中心となってくるのですか?」
I先生:「ディスチミアの場合、置かれた場や環境の変化で急速に改善することがあります。一方で、メランコリーは時に自責的となる場合があるので置かれた場や環境の変化は両価的です。」
М美:「薬物への反応についてもう少しお聞きしたいのですが、ディスチミア親和型うつ病は部分的な効果にとどまり病み終えないということは、メランコリー親和型うつ病はやみ終えるということになるのでしょうか?病み終える・病み終えないとは何ですか?」
I先生:「うつはですね、『うつを病み切らないと終わらない』と言われています。精神運動静止という状態ですね。」
М美:「うつらしさといいますか、口数も動きも極端に少なくなり、思考や行動のテンポが遅くなる状態のことですよね?仕事や家事にとりかかるのが億劫になったり、とりかかっても必要以上に時間がかかったり。また、注意力や決断力が低下したりという?」
I先生:「そうです。SSRIなどの抗うつ薬は簡単に言えばセロトニンがシナプスに再吸収されてしまうのを阻害することでリラックスさせるお薬です。そのリラックス状態を患者さんは『だるい』と表現する場合がありますね。負荷をかけても動けるようにまずは病み切ってしまうことがとても重要です。そして少しずつ負荷をかけて慣らしていくのです。」

М美:「風邪をひいて熱が出てしまった時に早く治るようにもっと熱が上がるよう布団をかぶったり厚着をしたりするようなイメージでしょうか?発熱の熱さはとてもつらいですが、それに耐えなければ治らないんですね。」
I先生:「その通りです。一方、ディスチミアは逃避の病と言われていますので、自身の不調に向き合えないのです。なので、治療に耐えられなくなり様々な理由をつけて薬を途中で中断してしまうことが多いのです。そうなると病み切らないので治らない。病み切らないことでちょっとエネルギーが残っているため軽度ではあるけれど慢性化するのです。」
М美:「発熱の熱さに耐えきれず布団をはいでしまったり、熱いからと厚着をしないから熱が上がり切らずにずっと熱が下がらない、風邪が治らないということですね。」

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今週はここまで!
来週はディスチミア親和型うつ病の治療についてお伝えしたいと思います!
未熟型うつ病のことも少し触れれたらいいなあ。

それでは、また来週〜♪