こんにちは、新米臨床心理士のM美です🍂

あったかくなったり肌寒かったり雨が降ったり晴れたり。
体感ですが、今が一番お天気や気温の変動が激しいのではないでしょうか???
リワークの方々や外来の方々もちらほら風邪を引いてらっしゃいます。
(私がうつしてしまったのでしょうか…(;´・ω・))
疲れたな…と感じたらいつもよりちょっと早めに身体を休めてくださいね。
手洗いとうがいも忘れずに!!!

新米日記20粒目のテーマは【新型うつ】です!
時折耳にする新型うつとは何なのか、従来のうつ病と何が違うのか、お伝えしていこうと思います。

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M美:「今週もI先生にご教授いただきたいと思います!よろしくお願い致します。」
I先生:「よろしくお願いします。」

М美:「『新型うつ』という言葉はマスコミによって作られた用語のようですね。」
I先生:「そうですね。新型うつという専門用語はありませんので、精神医学的に厳密な定義があるわけでも、そもそもその概念すら学術誌や学会などで検討されたものではありません。」
M美:「しかしそのような言葉が生まれたということは実際には『ある』という事なのでしょうか?」
I先生:「日本うつ病学会は、1012年7月に発売された大うつ病性障害の治療ガイドラインの序文で『新型うつ』について【新型うつは、『現代型うつ』などとも呼ばれ、社会問題として報道されることが最近多い。若年者に発症しやすく、抑うつに加えて無気力で、他人が悪く自分は悪くないという自己愛が強く、仕事への情熱も薄いというのが典型像。軽症に見えるが慢性化しやすいといわれている】といった見解を述べています。」

М美:「世間では、『①若年者に多く、全体的に軽症で、訴える症状は軽症のうつ病と判断が難しい、②仕事では抑うつ的、あるいは回避的傾向があるが、余暇は楽しく過ごせる、③仕事や学業上の困難をきっかけに発症する、④患者さんの病前性格として、“成熟度が低く、規範や秩序あるいは他者への配慮に乏しい”』などが指摘されていますね。ある程度日本うつ病学会の見解と合致するところがありますね。」
I先生:「一方で、『新型うつ』と『非定型うつ病』がほぼ同じ意味で扱われている節があります。恐らく、教科書的なうつ病のプロトタイプに合致しないうつ病・抑うつ状態を広く指して用いられているのでしょう。」

М美:「なるほど。そもそも新型うつは一体何が『新型』なのでしょう?」
I先生:「これはメランコリー親和型と言われる典型的な『古典的なうつ病』タイプに当てはまらないという意味で『新型』なのです。メランコリー親和型と呼ばれるうつ病には、入眠困難・早朝覚醒・食欲低下・体重減少・過度な罪責感や焦燥感などがあります。また、抑うつ気分や深い落胆、絶望、陰鬱さ、空虚感を抱えており、喜びや楽しさといった反応の喪失があります。また、朝に具合が悪く、夕方になるにつれて気分が多少回復してくるという気分変動が1日のうちに見られます。」
М美:「新型うつにはこれらの症状がないということでしょうか?」
I先生:「早朝覚醒や食欲の低下、体重の減少などは見られないと言われています。また、朝は会社や学校に行きたくないという葛藤から気分が落ち込んでいますが、休むことが決まると途端に気分は回復し、余暇を楽しむことができます。つまり葛藤回避の傾向があると言えるでしょう。したがって罪悪感や焦燥感というのも感じにくいと言われています。」

М美:「たしかに状態の悪さという点からみると新型うつは軽症と言えますね。では、世間で混同されがちな『非定型うつ病』はどのようなものなのでしょうか?」
I先生:「非定型うつ病には気分の反応性があります。つまり楽しい出来事には楽しいと感じられる能力があるという事です。また、過眠や食欲増加、体重増加、鉛が入っているかのような体の重さ、対人関係において拒絶されることへの過敏性といった特徴があります。」
М美:「メランコリー親和型うつ病と非定型うつ病は真反対と言っていいほど症状が違うのですね!」
I先生:「そうですね。非定型うつ病は歴史的にさまざまな定義がなされてきましたが、最近では上記のような定義がなされています。」

М美:「うーん…こうやって見ると世間では混同されがちの新型うつと非定型うつ病もかぶる部分はありますがニアピンというか、なんかかっちりはまり込む感じではないんですね。」
I先生:「そうですね。私はどちらかというと新型うつは適応障害の回避型だと考えています。」
М美:「ああ、なるほど!たしかにそっちの方が理解しやすいかもしれませんね!」
I先生:「新型うつってそもそもうつ病なのか?という疑問がわいてきますよね。」
М美:「若年者のうつ病・抑うつ状態と聞くと、スチューデントアパシーなどが思い浮かびますね。」
I先生:「無気力症候群ですね。元々若年者のうつ病・抑うつ状態はこれまでも精神医学的な理解が難しいとさせてきています。なので、古くからさまざまな角度から精神病理的に研究されており、スチューデントアパシーや退却神経症、逃避型抑うつなどさまざまな概念が提唱されています。」
М美:「中高年に多く見られる一般的に重症となりやすいうつ病とは全然違いますもんね。」
I先生:「近年では、未熟型うつ病、現代型うつ病、ディスチミア親和型などが提唱され、学問の分析対象となっています。」
М美:「あわわわわ…あまり聞いたことがないうつ病がたくさん出てきてしまいました…」
I先生:「いずれも切り口が異なるので異なる病理を描き出していますが、メランコリー親和型うつ病に比べて抗うつ薬の効果が弱く、軽症ながら難治な病態として注目されています。」
М美:「どの概念でも共通する症状というのはあるようですが、なかなか掴みづらい病態なんですね。」

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今週はひとまずここまでにいたしましょう。
来週も引き続き新型うつについてお伝えしていきたいと思います!

それでは、また来週〜♪