こんにちは、新米臨床心理士のM美です

雨や曇りの日が続き、海やプールが遠のいてしまうお天気ですね。
肌寒いと感じたり、湿度が高く蒸し暑かったりと例年よりも体調管理が難しいように感じます。睡眠や食事をしっかりとってこの夏を乗り越えましょう!

今週のテーマは【怒り】!
怒りとは誰もが持っている感情の1つです。コミュニケーション手段の1つでもあるので、怒りそのものが悪いわけではありません。

上手に怒りと付き合っていくにはどうすればよいのか。

そもそも怒りとはなぜ湧いてくるのか。

お伝えしていきたいと思います!

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M美:「今週はI先生をお呼びしました!宜しくお願い致します。」
I先生:「今週のテーマは【怒り】ですね。М美さんはどういった時に怒りを感じますか?」
M美:「怒りですか…激しく怒ったり物に当たるといった怒り方は普段しないのですが、自分の体調が悪かったりするとちょっとしたことでイライラしてしまったりすることはありますね。熱が出ていたりすると何でわかってくれないの?!、何でやってくれないのっ?!!って、とてもわがままになってしまいます。」
I先生:「イライラも怒りの1種ですね。怒りには2つの種類があることはご存知ですか?」
М:「1つは『イライラする怒り』ですよね?もう1つはー…激怒とか?」
I先生:「そうですね。つまり『爆発する怒り』のことを指します。怒りは、『二次感情』と言われているんですよ。怒りの感情のもとには、寂しい、つらい、悲しい、不安というネガティブな感情が横たわっています。その感情が何かのきっかけで怒りに変化するのです。」
М:「なるほど!『イライラする怒り』や『爆発する怒り』ももとはネガティブな感情から発生していたんですね!たしかに発熱時に感じた他者や物事への『イライラする怒り』はいま振り返ってみると、つらさや心細さといったネガティブな感情が原因だったように感じます。」

I先生:「『イライラする怒り』は、思い通りにならなかった、予定が狂った、我慢したといった自分と他者との期待がズレている状態や自分と自分の理想がズレている状態で起こります。」
М:「他者だけでなく、自分の中の理想の自分と現実の自分に差があった場合にも『イライラする怒り』は発生するのですね。」
I先生:「例えば、今抱えている課題を今日終わらせようと思っていたのに全然手を付けることが出来なかった場合、人によっては自分自身に不甲斐なさを感じたり、課題ができなかったことを悲しく感じたりするでしょう。そのネガティブな感情がちょっとしたことで自分自身へのイライラに変化しうるのです。」

М:「身に覚えのあることですね~…では、『爆発する怒り』はどういった時に感じるものなのでしょうか?」
I先生:「『爆発する怒り』は、傷つけられた、攻撃された、我慢させられたといった受け身の状態のときに感じます。この場合の怒りは原始的な反応に近いものです。」
М:「頭が一瞬真っ白になった、という話をよく耳にしますね。」
I先生:「一瞬、身体が硬直し、思考も止まるというのはヒトという動物が持つ擬死反射とも言えますね。」
М:「死んだふりのことですね!外敵から襲われると死んだふりをする山羊をテレビで見たことがあります!」
I先生:「ヒトは自分に対する脅威を感じると、アドレナリンを分泌し、交感神経を刺激することで闘うか逃げるかの『闘争or逃走反応』を起こします。そのため、心拍や血圧・呼吸が増大したり、骨格筋への血液が増加したり、発汗などが起こったりします。このモードに入ると、たとえ脅威が去ったとしてもいつまた襲われるかわかりませんので、決して安心できない状態になるんですね。」
М:「周囲を警戒している状態になるというわけですね。」
I先生:「なので怒りは『防衛感情』とも言われているんですよ。」

I先生:「アドレナリンは分泌されると、体内で消失するまで5~7秒かかるといわれています。つまり、怒りが爆発してからの7秒間がもっとも怒りが強いということですね。この7秒は何をやっても怒りは収まりません。」
М:「何をやっても収まらない?!それは…そうしたらいいんでしょう???」
I先生:「簡単なことですよ。『怒りを感じること』と『怒りにまかせて行動する』というのは別の問題ですから、この怒りのピークである7秒をどうやり過ごすかということです。」
М:「なるほど…この7秒が勝負所なんですね!たしかに怒りという自分の感情を無理に抑え込むのではなく、怒りを理解して上手にコントロールする方が健全ですし、ストレスをため込むようなこともなくなりますね。怒りを感じることもそれを表現することもコミュニケーションの一環であって、別に悪いことではないですもんね。」
I先生:「そうですね。大切なことは『怒らないこと』ではなく、『怒る必要のないことは怒らず、怒る必要のあることは上手に怒ること』です。」

М:「それでは、怒りという反応にまかせて行動しないためにはどうすればいいのでしょうか。」
I先生:「怒りをこらえる時は、頭で我慢するより身体を使って待つのが良いと言われています。例えば、指を折って7秒数えるなど、『行動をしながら待つ』というのが重要になってきます。」

М:「『行動しながら待つ』???」

I先生:「気分と行動は関係しているようであって、実は別物なんですよ。例えば、М美さん。いまちょっと億劫な気持ちになってみてください。」
М:「(億劫な気持ちを想像中…)なにやらすべてが面倒くさくなってきました。」
I先生:「では、その気持ちのままお手洗いに行きたくなったとします。どうしますか?」
М美:「??????お手洗いに行きます。」
I先生:「そうですね!お手洗いに行きますよね。億劫という気分であってもお手洗いに行くという行動はできるんですよ。つまり、気分と行動は別のものなんです!!」

М美:「!!!なるほど!!!怒りを感じていたとしてもやり過ごす行動はできる!!!気分と行動は別問題!!!」

I先生:「怒りのピークをやり過ごすには、主体性を取り戻す必要があります。怒りを客観的に見つめるのです。怒りを0~10段階に分けて、怒りの程度の変容を観察し、紙の切れ端などに記録していくというやり方もとても効果的です。」
М美:「0が穏やかな状態、10が最も激しく怒っている状態ということですね。」
I先生:「その時注意が必要なのが決して評価しないことです。10,8,7,9,7,8,6,5,7…というようにその時は観察することだけに徹して集中することです。自分を観察し、怒りの程度をスケーリングするという行動に専念してみてください。気分転換を行う場合も気分転換という行動に専念することが重要なことです。」
М美:「頭の中でぐるぐると考えいる怒りという感情的な反応から行動などから客観的に観察されるものとして認識することで距離を取っているわけですね!」
I先生:「そのほかにと『とっとと寝る』という方法も十分効果的な方法です。ふて寝と呼ばれるものですね。これも意識の流れ一度を眠ることで切ることが出来ます。そうすると怒りの感情と距離を取ることが出来ますので、起こったことが過去へと変化します。」
М美:「誰かに話すことも有効そうですね!」
I先生:「まさにそうです。怒りのピークが過ぎ、過去への変化した出来事や感情を人に話すということは、まず時系列順に整理しなければなりません。そうすると、主観的な体験とは別に客観的な体験として再構築されますので、怒りはより過去のエピソードになるのです。」

М美:「どうしても怒らなければならないという場面はどなたにもありうると思うのですが、そのような場合でも怒りをまかせて怒るのではなく、自分の怒りの気持ちを冷静に伝えることが大切ですね。」
I先生:「自分のこうある『べき』と他者のこうある『べき』はイコールではありませんので、お互いの『べき』の違いを理解し、その違いを認めてコミュニケーションをとると、不要な怒りを感じずに済みます。指示や頼みごとをするときは、いつまでに何をしてほしい、と具体的に要求を伝えることが大切ですね。」
М美:「例えば電車の遅延など、自身や他者の力ではどうすることが出来ないことに怒っても仕方がないので、その現実を受け入れたうえで自分にどうすることが出来るかを考え、行動する方がいいですもんね!」
I先生:「それはあきらめる、我慢することではなく、『受け入れる』ということです。怒りをコントロールすることには練習が必要です。取り組みやすいことから実践してみてくださいね。」

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いかがでしたでしょうか?

怒りのピークが7秒という話は初耳だったのでとても新鮮でした!

怒りのコントロールに悩んでいる方は、ぜひ三田こころの健康クリニック新宿にご相談ください。

それでは、また来週〜♪