摂食障害と発達障害(重ね着症候群)〜その1

摂食障害は思春期に発症することが多いのですが、最近では学童期や中年期での発症もみられるようになっています。

摂食障害の治療を専門としている三田こころの健康クリニックには学童期の小学生から50代まで、さまざまな年齢の摂食障害の患者さんが来院されています。


摂食障害の患者さんの併存疾患
として大うつ病性障害や気分変調性障害などの気分障害や、全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害などの不安障害、強迫性障害や身体醜形恐怖などがある場合もありますよね。
三田こころの健康クリニックの解説を参照して下さいね。

小児期に発症する摂食障害は、思春期以降に発症する摂食障害と異なる部分もありますので、そのうちにまとめて書いてみますね。

 

そういう併存疾患の中で、最近注目をあつめているのが、発達障害(広義)を背景に持つ患者さんたちです。

広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害(ADHD)に合併した摂食障害も報告されるようになり、また神経性食欲不振症(拒食症)の難治例に高機能広汎性発達障害を合併している一群が存在することも指摘されています。

摂食障害などの各種、精神疾患と診断される一群の背景に、発達障害を有する一群が「重ね着症候群」として報告されています。

また、認知の歪みや強迫傾向(強迫性パーソナリティ)、対人関係の問題(回避性パーソナリティ)など、発達障害と摂食障害では共通する要素を持っているという意見もあります。

発達障害という視点から摂食障害をみると
・自己肯定感(セルフ・エスティーム:自尊心)
・自己効力感(セルフ・エフィカシー)
・自己評価

が低いこと、
・体型への不満
・強迫性、
・特性不安の高さ

などは、摂食障害と共通する素因とも考えられますよね。

 

それに加えて、
・周りで起きている意味がわからない
・次に何をするのかわからない
・どうやってよいかわからない
・どう伝えたらよいかわからない
・こだわりが強く、そこから離れられない

など、
・発達障害特有の社会性(相互的人間関係)
・言語的・非言語的コミュニケーション能力(字義通りにとらえる)
・想像力(概念や抽象的・象徴的な事柄の理解が困難)
・こだわり(限定された行動・趣味・活動や不器用さ)

の問題は、摂食障害と類似する点が多いことが知られています。

かなりオーバーラップすることの多い発達障害と摂食障害ですが、次回は、発達障害のタイプ別による摂食障害の特徴を書いてみますね。

院長