摂食障害と発達障害の共通点〜その2

発達障害“という視点で摂食障害をみるとずいぶん、共通する部分が見えてきました。
今日は、共通点をまとめてみますね。

 

発達障害の併存疾患から見てみると、一般に、「注意欠陥多動性障害(ADHD)」には
過食症
・不安/気分障害
・物質乱用
・自殺企図
・境界性パーソナリティ障害の合併

などが知られています。
一方で、高機能自閉症、広汎性発達障害やアスペルガー症候群など、いわゆる「発達障害」と呼ばれる「自閉症スペクトラム障害(ASD)」には
拒食症
・強迫性障害
・不安障害
・うつ病性障害

などを合併しやすいと言われています。

 

これらの合併症があるからといって、発達障害やADHDだと言っているのではありませんので、誤解なさらないように。

それぞれの特徴をまとめてみると、ADHD者は落ち着きのなさ、不注意の問題を抱えており、幼小児期から叱責や注意を受けることが多く、
・自己肯定感(セルフ・エスティーム:自尊心)
・自己効力感(セルフ・エフィカシー)
が低下しているため自己評価が低いことが特徴とされています。
この2つは、自閉症スペクトラム障害(ASD)の代表である広汎性発達障害でも共通しますよね。

また
・衝動的である
・待てない
・我慢できない
・目先の利益を求める

という「衝動性の高さ」も特徴であるため、低栄養状態が続くことで、多動性が促進され過活動が顕著となることがあるようです。

 

しかし、ADHDと神経性食欲不振症(拒食症)の併存例の報告は多くなく、神経性大食症(過食症)やむちゃ食い性障害との関連が報告されています。

一方、自閉症スペクトラム障害(ASD)の代表である広汎性発達障害では、
・低い自己表現力
・認知力の低下
・特有のコミュニケーションの問題
・社会性の低さ
・食事や体重への強いこだわり

など、摂食障害と広汎性発達障害とに共通する要素が指摘されていますが、摂食障害が回復した後も、
・食行動以外へのこだわり
・コミュニケーションの問題
・社会的スキルの低さ
などの広汎性発達障害の特徴は残るといわれています。

 

こうやってみてみると、水島先生の『拒食症・過食症を対人関係療法でなおす』にあるように、過食の要素を、発達障害の特徴と関連づけてみると
・衝動性の高さ →冒険好き
・自信のなさ  →心配性

であり、拒食の要素
・不安   →心配性
・こだわり →ねばり強い

みたいですよね。

そういう観点から、次回はここまでのところをまとめてみますね。

院長