摂食障害からの回復への第一歩

週末、摂食障害学会に参加してきました。
内容は少しずつ、このブログでも紹介していきますね。

さて『摂食障害から回復するための8つの秘訣』の「訳者あとがき」に

この1冊目(ジェニー・シェファー『私はこうして摂食障害(拒食・過食)から回復した』星和書店)では、摂食障害からは回復出来る、そのためには回復の過程でどのようなことが起こりうるのか、みなさんにお伝えしたく、日本にも紹介させていただきました。
「摂食障害は一生つきあう病気です」という日本の医療界の常識をどうにかしたいとの思いからでした。
そして今回のこの本では、それでは具体的に、日本の今の環境の中で回復へと向かうためには、ご本人なりに何に取り組めばいいのかとお示ししたいと思い、翻訳、出版させていただきました。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

と書かれています。

 

摂食障害の経過と予後』で紹介したように、日本の医療の現場では、疾患教育のみならず専門的な精神療法も、残念ながら行われていないため、「摂食障害は一生つきあう病気です」という思い込みにつながるようです。

さて、この本の帯には

なぜ摂食障害になったのか?の理由を明らかにしなくても、本書を使うことで回復への道を歩めます。

と書かれています。

 

「日本語版への序」を読んでいくと、

摂食障害を引き起こす危険因子は多くあると言われ、それらが一気に嵐のように押し寄せてきたときに、摂食障害が発症すると私は考えています。
日本独自の文化的な要因、個人の特性、また日本特有の家族内の力動も、それぞれ影響し合っていると考えられます。
(中略)
なぜ摂食障害になってしまったのか、なぜ発症したのかという根底の理解を深めていくことも大切なことですが、それだけでは往々にして十分ではなく、多くの人はそれを見極めようと躍起になり、そこで身動きがとれなくなってしまいます。
私のこれまでの経験では、摂食障害から回復するために、「なぜ」摂食障害になってしまったのかを完全に明らかにする必要はないと思います。
(中略)
「どのように」摂食障害から回復できるかということをお伝えするガイドとして、この本をお使いいただければ幸いです。
摂食障害から回復するための8つの秘訣』星和書店

とあるように、摂食障害からの回復への第一歩を踏み出すには、自分が今、どこにいるのかを明確にすることから始まります。

 

この本では「摂食障害から回復する10の段階」や、「行動変容を動機づける5段階」に対して何度も振り返り、回復への動機を確認し強化するためのワークを通して、摂食障害からの回復の道のりを歩き始めることができるようになっています。

 

著者のキャロリン・コンスティンは

私が回復への道をたどるときに助けになった要因はたくさんありました。
心理学を勉強していましたので、自分の心を理解しようと試みましたし、行動を変えるための計画を立て、私自身を変えるきっかけをつくりました。
母からの愛情と無条件の支えを感じることができていましたので、私はどこか芯の部分では自分自身を信頼することができており、希望を失いそうになったときにもどうにか望みを失わずにすみました。
本当のことを誰かに話してみると、その人は私を嫌いにならずにもっと好意を寄せてくれるということを学び、たくさんの人に助けを求めてみました。
摂食障害から回復するための8つの秘訣

と、自分の心を理解すること、行動を変えてみることなど、自分自身への信頼感を保つことと同時に、人に助けを求めることや周囲の人への信頼感の重要性について、自身の体験から述べられています。

 

また共著者であるグエン・シューベルト・クラブも

「回復しつつある」から「回復した」へといつ変わったのかははっきりとは言えませんが、私は完全に回復できたのです。
今の私なら自分自身と良い関係が築けていると言えますし、周りの人たちとも打ち解けられるようになりました。
こんなに深刻な病に苦しんだ後で回復し、心が癒やされてみると、以前には想像できなかったくらい自分のことを大切にできるようになり、とても幸せな人間となることができました。
摂食障害から回復するための8つの秘訣

と述べているように、摂食障害から回復するためには、自分への信頼感、自分を大切にする生き方と、周囲の人との関係性の2つが大切なのですよね。

院長