対人関係療法とは?

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対人関係療法は、科学的に治療効果が実証されたエビデンスのある精神療法の1つです。

対人関係療法は「摂食障害(過食症・むちゃ食い症)」や「うつ病/持続性抑うつ障害(気分変調症)」、双極性障害の「対人関係-社会リズム療法」などで治療効果と有効性が示されています。

 

※対人関係療法は、家族やパートナーなど「重要な他者」との「現在の関係」に焦点を当て、感情を指標に周りの状況に変化を起こすことで病気を治していきます。(苦手な対人関係を克服するカウンセリングではありません)

※三田こころの健康クリニック新宿では、対人関係療法の第一人者であり日本人で唯一対人関係療法のスーパーバイザー資格をお持ちの水島広子先生から、トレーニングとスーパービジョンを正式に受け十分に臨床経験を積んだ精神科専門医と、国家資格である精神保健福祉士を有する治療者が対人関係療法による専門的な治療を行っています。

 

対人関係療法による治療の中で取り組んでいくこと

対人関係療法による治療は、「症状に振り回されないようになるための強力な手段」を生活の中で試し、スキルを高めていく努力が本当の意味での治療になります。対人関係療法は、努力すればするほど治療効果の上がる治療法だと考えてください。

 

○「自分の気持ちをよく振り返る(自分との関係を改善する)」
○「自分の周りの状況に変化を起こす(行動の仕方を改善する)」
○「対人関係スキルを高める(他者との関係を改善する)」

対人関係療法のなかで、患者さんは上記の3つの課題に取り組み、「自己志向(自分との関係+行動の仕方)」と「協調性(他者との関係)」をバランスを取りながら高めていきます。「自己志向」と「協調性」のバランスは安定した「愛着(アタッチメント)」の土台にもなります。

対人関係療法に取り組む中で、「関係性(協調性)」という安心基地は「自己志向(自己受容)」を支え、「自己志向(自己受容)」が健全な「関係性(協調性)」を維持することを体感的に理解しながら、病気から回復していくのです。

 

□心の状態の変化についての気づき(自分との関係を改善する)
□感情・考え・情動のコントロールについての気づき(行動の仕方を改善する)
□自己概念あるいは関係の中における役割についての気づき(他者との関係を改善する)

対人関係療法の中で上記の3つのスキルを高め、病気のために今後の人生が損なわれる事がないよう病気の治療だけでなく再発防止までを目指します。

※三田こころの健康クリニック新宿で摂食障害の対人関係療法を導入できる目安は、標準体重の75%(BMI:16以上)で、「身体管理が終わった方」としています。

 

摂食障害の対人関係療法による治療~神経性過食症~

*「過食症」や「むちゃ食い症」に対する「対人関係療法」による治療は、治療終結後も効果が上がり続けることが確認されています。

*「過食症」「むちゃ食い症」の「対人関係療法」による治療効果は、対人関係への満足度、社会的機能、抑うつ症状、自分への信頼感といったところから始まり、その結果として食行動にも変化が生じてきます。

 

食べ物で自分を麻痺させるのではなく、自分の気持ちに注意してはっきりつかめるようになる、つまり自分自身との関係を改善し、他人との関係を改善できれば、ネガティブな気持ちをコントロールするために食べ物を利用しなくてすむようになるでしょう。
自分の気持ちがうまく扱え、他人との関係もうまくいくようになるほど、過食はへっていくでしょう。
ウィルフリィ『グループ対人関係療法』創元社

対人関係療法に取り組む中で、「親密さと愛着」「自己の知覚と理解」「社会的コミュニケーション」「他者の知覚と理解」など、社会的プロセス・システムのバランスを統合していくことで過食症から回復し、再発防止まで治療していきます。(『自己志向と協調性を高め摂食障害から回復する』参照)

⦁ 厚生労働科学研究『精神療法の実施方法と有効性に関する研究』で、神経性大食症(過食症)に対する対人関係療法による治療は、国際水準と同等の効果が得られたことを報告されました。神経性大食症(過食症)の対人関係療法による治療は日本摂食障害学会の『摂食障害治療ガイドライン』にも収録されています。

*三田こころの健康クリニックも、厚生労働科学研究『摂食障害に対する対人関係療法の効果研究と対人関係療法の均霑化に関する研究』に協力しています。